すべての血液細胞のもとになる造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)ががん化して発生する血液のがんの一つで、白血病全体の約2割を占めます。発症率は人口10万人当たり1~2人といわれ、50~60歳に多くみられます。

原因は不明ですが、造血幹細胞にフィラデルフィア染色体という特徴的な染色体の異常が認められ、これが診断の根拠になります。

フィラデルフィア染色体の中にあるBCR-ABL1という遺伝子がつくりだすタンパクが発生に関与することがわかっています。

骨髄移植が唯一の治癒を目指した治療法ですが、移植ができない場合でも、BCR-ABL1タンパクの働きだけを抑える分子標的薬のグリベック、タシグナ、スプリセルが登場し、これを第一選択薬として使用することで、移植をしなくても長期生存が可能になりました。

診断のためには、骨髄の中の未熟な血液細胞を調べる必要があり、局所麻酔をして腰の骨に針を刺して骨髄液を採取する骨髄検査を行って病期を決定し、染色体検査でフィラデルフィア染色体の検出により診断は確定します。

末梢血を用いて、特有のがん遺伝子の検出をする遺伝子検査(国際標準値(IS)に対応したMajor BCR-ABL1 mRNA定量)を診断時に、また治療効果をモニタリングするために3カ月おきに実施します。

検査結果は3週間以内に出揃います。

白血球数が数万程度で症状がない場合は、検査結果が出てから治療に入ってよいですが、白血球数が数十万の場合は緊急性があります。脾臓による腹部症状、タール便や血圧の低下などの症状を伴う胃・十二指腸潰瘍による出血、白血球で血管が塞がれて起こる視力障害などの症状が認められたら、すぐに受診しましょう。直ちに治療する必要があります。