慢性リンパ性白血病は、骨髄やリンパ組織で、成熟したリンパ球が増殖する病気です。発症は、60.~70代の男性に多くみられ、60歳以下は約30%です。

緩やかな経過をとり、初期はほとんど自覚症状がありません。しかし、患者さんの約15%に貧血、血小板の減少、約30%に免疫に関係するガンマグロブリン値の低下、約8%に自己免疫性溶血性貧血の合併がみられます。

各種のがんの合併もみられ、この病気以外に新たに発症する二次発がんの頻度は通常の2~3倍です。

診断は、リンパ球や骨髄を採取して顕微鏡で詳しく調べる生検により確定します。診断がつかない場合は、再生検を行います。その際、免疫組織化学検査、フローサイトメトリーと呼ばれる検査などを組み合わせて診断します。

状況に応じて、全身CT検査、PET検査が行われます。

適齢期の女性では妊娠反応検査も行います。治療後の妊娠を希望している場合は、男性については精子保存、女性については卵子保存を行うことが可能です。

治療の主体は抗がん剤を用いた化学療法です。放射線療法や造血幹細胞移植が行われることもあります。

検査結果が出るまでに、リンパ節の腫れ、発熱、寝汗、体重減少、倦怠感などの症状がみられるときや、貧血症状やあざが出たときは、すぐに再受診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 家庭では普段どおりの規則正しい生活をし、食事をきちんととりましょう。