非ホジキンリンパ腫は悪性リンパ腫の一つで、がん細胞の種類によって、B細胞腫瘍とT/NK細胞腫瘍に分類されます。そのうち、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は非ホジキンリンパ腫の30~45%を占め、年間1万5,000人程度が発症するといわれています。

リスク因子としては、ウイルス、慢性炎症、免疫抑制、乳房シリコンインプラント(人工乳房)などがあります。胃に発生するMALTリンパ腫(B細胞リンパ腫)ではピロリ菌の感染が、また唾液腺や甲状腺のMALTリンパ腫では自己免疫疾患のシェーグレン症候群や橋本病に合併することがあります。女性における喫煙、スプレー塗装業は濾胞性リンパ腫のリスクとなります。近年、わが国での濾胞性リンパ腫の頻度が増加傾向にあります。海外では都市部や工業地帯での発生が報告されています。

代表的な症状はリンパ節の腫れです。そのほか、発熱や寝汗、体重減少がみられることもあります。各臓器が侵されると、咳や胸痛、背部痛、腹痛、下痢、頭痛、手足の痛み、筋力低下などの症状が現れるようになります。一方で、お腹の中に大きなリンパ腫があっても全く症状が現れないこともあります。

病変部周囲のCTで悪性リンパ腫が疑われるとリンパ腫の大きさや広がりを調べるために血液検査、全身のCT、PET、骨髄に針を刺して骨髄液を吸引する骨髄穿刺(こつずいせんし)や生検、上部消化管内視鏡検査などを行います。

必要に応じて、大腸内視鏡、脳脊髄液検査、脳・脊髄MRIや骨シンチ、骨MRIなどの検査が行われます。また、治療法を決めるために、心電図、心臓超音波検査、血液ガスなどの検査も行われます。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 規則正しい生活をしましょう。
  • 化学療法では白血球数が減少し感染症にかかりやすくなるので、虫歯、蓄膿症、膀胱炎がある人は治しておきましょう。
  • インフルエンザ等の予防接種は治療前にすませておきましょう。
  • 禁煙、節酒を心がけましょう。