本態性血小板血症は、骨髄の造血幹細胞の異常が原因で起きる病気です。血液の成分の一つである血小板が過剰につくられます。
血小板の数が増加すると、血栓(血の塊)ができやすくなり、それによって血管が狭くなったり塞がれたりして起きる血栓症を合併することがあります。
治療の目標は血栓症の予防です。血小板の機能を調節する薬剤や血小板の産生を抑える薬剤を使用します。
ごくまれに、長期の経過のうちに、骨髄が線維化して固くなり造血作用が機能しなくなる骨髄線維症(こつずいせんいしょう)や急性白血病に移行することがあります。
検査では血液検査による遺伝子異常の有無、骨髄の針を刺して骨髄液を吸引して調べる骨髄穿刺(こつずいせんし)などを行います。血栓症の既往、糖尿病や高血圧症、コレステロールの異常に関しても検討します。
年齢が60歳以上で以前に血栓症にかかったことがある場合は、今後も血栓症を起こす危険が高いので、血小板の働きを抑える薬に加えて血小板数を下げる薬を使用します。
60歳未満で血栓症の既往症がない場合は、主に血小板の働きを抑える薬を用います。