鉄欠乏性貧血は、赤血球の材料である鉄分の不足が原因で起きる貧血です。

10代から40代の女性の場合は、生理が原因の場合が多いですが、背後に子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人科の病気が隠れていることがあります。また、胃潰瘍や胃がん、大腸がんなど他の病気がもとで貧血が起きることもあるので、がん検診を受けておきましょう。

主な症状は、動悸、息切れ、立ちくらみです。

診断は採血による判定です。血色素(ヘモグロビン)量が低下し、さらに血清鉄やフェリチン(貯蔵鉄)の値が低下していたら、鉄欠乏性貧血と診断されます。

診断後、原因となる病気がないかを確認するために胃内視鏡や大腸内視鏡の検査をし、さらに婦人科の病気がないかを調べます。

治療は貧血の原因である病気の治療が優先されます。同時に鉄分を補充するために鉄剤を服用します。

貧血がよくなり、症状がなくなった後も、しばらく鉄剤の内服は必要です。普段の食事でも鉄分が多い食材をとるようにしましょう。

鉄剤の内服で便が黒くなることがありますが、心配はいりません。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • レバー、ひじきなど鉄分が多い食材や、みかん、ほうれん草など鉄分の吸収を助ける食材をとりましょう。とくに動物性のものは吸収率が高いです。
  • 鉄剤は自己判断で服用を中止してはいけません。