血球貪食症候群(けっきゅうどんしょくしょうこうぐん)は、何らかの原因で勢いを増したリンパ球が発熱などの炎症を起こさせる物質(サイトカイン)を出して、免疫を担うマクロファージという細胞を刺激して、マクロファージが血液細胞を食べてしまう(貪食)病気です。

症状としては、白血球、赤血球、血小板などが減って、血が止まりにくくなったり、感染症を起こしやすくなったりします。病気が進行すると肝臓や腎臓に障害をもたらし、意識障害が起き、命にかかわるような危険性も生じます。

思春期までにこの病気が発症したときは生まれつき遺伝子に異常があった可能性があります。成人で発症した場合は、悪性腫瘍、膠原病などの自己免疫疾患などが隠れていて、その病気により発現したと考えられます。

血球貪食症候群が疑われたら、骨髄に細い針を刺し、髄液を採取する骨髄穿刺(こつずいせんし)を行います。これにより、マクロファージが増えていないか、血液細胞を食べていないかをチェックするとともに、白血病や再生不良性貧血など他の病気がないかを調べます。

診断後はすぐに入院して治療を開始します。輸血により血液細胞を補いながら、リンパ球の過剰な働きを抑える薬をいくつか組み合わせて使います(通常3種類)。骨髄移植が必要になる場合もあります。

背後に病気がある場合はその病気の治療を並行して行います。