血栓性血小板減少性紫斑病は、血小板と血小板をくっつける糊(のり)にあたる因子(血漿フォンビルブランド:VWF)を切断する酵素の活性が著しく減少するために、血管内に血小板の血栓(血の塊)ができる病気です。赤血球が末梢の細い血管を通るときに破壊され、溶血性貧血などの症状が起こります。

先天的にVWFを切断する酵素の活性が弱い場合もありますが、ほとんどは後天性の疾患です。多くの場合はある日突然に、この酵素に対して自己抗体ができ発症します。

症状としては、血小板が減少して出血傾向が現れ、皮膚に紫斑ができる、貧血が起きる、腎臓の毛細血管に血栓ができ腎機能が低下する、発熱する、精神的動揺(頭痛・錯乱・麻痺・失語など)が生じるなどがあげられます。その他、だるい、吐き気がある、筋肉痛などの症状もみられます。

先天性の場合は、2週間ごとに新鮮凍結血漿(しんせんとうけつけっしょう)を静脈内に点滴する場合があります。

後天性の場合は、血漿の交換(けっしょうこうかん)が必要になります。いったんよくなっても再発することがあるので、1年間は経過を観察します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 定期的な外来通院が必要です。
  • 手足に点状の出血や、鼻や歯肉からの出血がある場合は血小板が減っている可能性があります。すぐに受診しましょう。