巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)は、ビタミンB12、または葉酸(ようさん)の欠乏が原因で起きる貧血です。

ビタミンB12や葉酸は細胞分裂を促すのに必要なミネラルで、この欠乏によって、骨髄の中の未熟な赤芽球が巨大になって赤血球になる前に壊れてしまい、血球が少なくなって貧血を起こします。

診断は血液検査と骨髄に針を刺して骨髄液を採取して調べる骨髄穿刺(こつずいせんし)で確定します。

もっとも多いのは胃でのビタミンB12の摂取不良による貧血で、これを悪性貧血といいます。ただし、悪性といいますが治療は容易です。特に高齢者に多くみられ、萎縮性胃炎を併発していることがよくあります。

ビタミンB12は動物性食品に含まれ植物性食品には含まれていないために、菜食主義者では不足しがちです。またアルコールは葉酸の吸収を阻害するので、アルコール依存症は葉酸欠乏に陥りがちです。

悪性貧血では胃がんを併発していることが多いので、念のために胃内視鏡検査を受けましょう。

悪性貧血、消化管手術によるビタミンB12欠乏、小腸切除による葉酸欠乏の場合は、貧血が改善された後も3~4カ月に1度、血液検査を受けましょう。

ビタミンB12欠乏性の巨赤芽球性貧血は徐々に進行するため、自覚症状が乏しく、症状を自覚したときには貧血は強度になっていることがあります。再診が必要といわれたときは3~4カ月に1度の通院を忘れないようにしましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 栄養バランスのよい食生活を心がけましょう。