甲状腺中毒症は甲状腺ホルモン作用が過剰になった状態を指し、原因としては破壊性甲状腺炎と甲状腺機能亢進症があります。甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの合成と分泌が亢進する状態をいいます。その原因として最も多いものはバセドウ病です。
動悸、頻脈、手足の震え、食欲増大・体重減少、発汗、疲労感、微熱、精神的イライラなどの症状が現れます。
診断は、血液検査により甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモン、その抗体などを調べ、甲状腺のエコー検査を行います。
バセドウ病は、抗甲状腺薬で治療します。1~3カ月で甲状腺機能は正常になりますが、その後も1~3年は服用します。3年たっても服用を中止できない場合もあります。
破壊性甲状腺炎は、特に治療の必要はなく、2~3カ月で、甲状腺ホルモン上昇後に低下し、元に戻ります。まれに再発することがあります。再発を予防するためには、ヨードを含む食品を多量に摂取するのは避けましょう。
薬の服用後3カ月は白血球の顆粒球が減少する無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)や肝障害が起きる可能性があります。開始後2カ月は2週間ごとのチェックが必要です。体が黄色っぽくみえる黄疸(おうだん)、関節痛、血尿、痰に血が混ざる血痰などが見られたときはすぐに受診しましょう。