成長ホルモンは小児だけでなく成人になっても分泌され、脂質やたん白質、糖質などの代謝を整え、身体を維持する働きをします。
成人期に成長ホルモンが不足すると、脂質異常症、体脂肪の増加、疲れやすいなどの症状が生じます。
成人期の主な原因には、下垂体とその近傍の腫瘍、シーハン症候群(分娩時の大出血に伴う下垂体機能低下症)、出生時のトラブル(逆子、仮死など)などがあげられます。
原因となるような合併症や既往症がある場合には成長ホルモンの分泌能を確認するGH分泌刺激試験を受けることをお勧めします。
検査で重症の成長ホルモン分泌不全症と判定された場合、治療法は第一に不足している成長ホルモンを注射で補うことです。注射は主治医の指導の下、本人が自宅で行うことができます。中等度以下の場合は経過を観察します。
成長ホルモンを自分で注射する際は、決められた量を守りましょう。治療の初期にむくみや関節痛が生じることがありますが、多くは一過性のものです。心配はいりません。
下垂体機能不全症として成長ホルモン以外のホルモン補充療法を受けている場合は、それらについても、決められた薬の量を守って治療を続けてください。