クッシング症候群とは、副腎からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されて起きる病態をいいます。
肥満(胴回りや背中の上部に脂肪がつきます)、筋肉の減退、皮膚が薄くなり青あざができやすいなどの症状があります。特にムーンフェイス(満月様顔ぼう)といって、真ん丸な顔になるのが特徴の一つです。そのほか、高血圧症、糖尿病、骨粗鬆症等が発症している場合があります。
原因としては、脳下垂体の良性の腫瘍、副腎の腫瘍、またときには肺や膵臓、消化管等の腫瘍が考えられます。
副腎からコルチゾールが過剰に出ていないか、血液検査や尿検査を行って診断します。早く原因を明らかにして、早期に腫瘍を摘出することが必要です。
副腎の腫瘍の治療では、腹腔鏡下副腎摘出術という傷の小さな手術が主流です。
下垂体の腫瘍の治療では、経蝶形骨洞的手術(けいちょうけいこつどうてきしゅじゅつ)といって頭部を開かない手術も行われるようになっています。
手術で腫瘍が取り切れない場合は、薬による治療、放射線療法などが行われます。