アジソン病は、両側の腎臓の上にある副腎に病変が起き、コルチゾール、アルドステロン、副腎アンドロゲン等のホルモンの合成、分泌が障害される病気です。自己免疫、結核、外傷、出血、さまざまな感染症などが原因で発症します。

コルチゾールやアルドステロンが分泌されないと、疲れ、食欲低下、低血糖、低血圧関節痛などが起きます。女性では副腎アンドロゲンの低下により、脇毛、恥毛が抜けていきます。

治療は不足するステロイドを補充します。薬を継続して服用すれば、日常生活に大きな支障は来しません。

インフルエンザ、発熱、抜歯、強めの運動などいつもと異なるストレスが身体にかかる場合には、通常の服用量の1.5~3倍のステロイドを服用します。

自己判断でステロイド薬の服用を中断し、ステロイドの服用量が不足すると、副腎クリーゼ(急性副腎不全)を引き起こし、全身倦怠、吐き気、発熱、腹痛、血圧低下、さらに症状が重くなると意識障害、ショック状態に陥ります。ステロイド薬は必ず指示どおりに服用してください。

副腎クリーゼ症状を引き起こしたら、一刻も早く緊急治療を受ける必要があります。主治医に連絡するか、その余裕がないときには救急車で病院に運んでもらい、診察を受けてください。

万一に備えて病名、処置方法、連絡先などを記入した緊急時用カードを携帯してください。主治医にカード作成を依頼してください。