先天性副腎過形成は、体の成長や、水・糖・電解質のバランスなどを保つ副腎皮質ステロイドホルモンが先天的に少ないため、それを補うように副腎が大きくなる病気です。
重症の場合は、生後間もなくから、嘔吐、脱水、電解質の異常、不整脈などが現れ、生命に危機が及ぶこともあります。
男性化作用のあるホルモンが分泌されるため、女子であるのに外性器が男性化していることもあり、外科的な治療が必要になることもあります。
治療は生涯にわたるステロイドホルモン薬の補充です。適切な治療によって、健やかな成長が望め、ふつうの人と変わらない生活を送ることができます。
ストレスが生じたときに薬の服用が少ないと嘔吐、腹痛、倦怠感などの症状が現れやすいので、適切な服用と適切な対応の仕方を身につけておきましょう。
皮膚の色が茶色になったり、疲労感が強まったりするときは薬の不足が考えられます。受診して薬の量を調整します。
子どもの場合、よく感染症にかかり発熱するようなら薬を増やします。薬を服用ができないときは点滴治療を行います。
周囲の人や、幼稚園・学校にはホルモンが不足する体質ということを話しおきましょう。疾患名、主治医、診療病院がわかるカードを持ち歩くようにしましょう。