糖尿病には1型と2型があります。1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンを十分に分泌できなくなる病気です。それを補うためにインスリン療法の継続が必要です。2型糖尿病のような生活習慣病ではありません。

食事療法については、2型糖尿病とは異なり、食事(特に炭水化物〈糖質〉)とインスリンとの関係をつかむことが大切です。

食事の制限はそれほどありませんが、食品のカロリーや含まれる炭水化物(糖質)量など、食事に関する知識を身につけることは必要です。また、体重を増加(肥満)させない食べ方を心がけてください。

間食も基本的には食べてかまいませんが、必ずインスリンの追加注射をする必要があります。

インスリン注射を中止すると、血糖が上昇し、体調を崩します。必ず継続しましょう。特に、薬物療法の土台になる持効型のインスリンは食事と関係なく、必ず継続してください。

体調が悪くて食事がとれない場合(シックデイ)は、食事ごとのインスリンは普段の半量を目安に注射してください。

低血糖時は、ブドウ糖を10~20g摂取してください。低血糖の頻度は、軽いもので月2~3回以内に収めます。

血糖の自己測定結果にこだわりすぎないようにしましょう。むしろ、なぜその値になったのか、その原因を考えるきっかけにし、同様の状況が起きた場合のインスリン量の修正に役立てることが大切です。慣れてきたら、血糖値を自らの体感で予測できるようにしましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 外食で食事時間が長くかかる場合は、炭水化物(糖質)を摂取するタイミングでインスリンを注射してください。
  • 昼間かなり運動すると、夜間低血糖になる可能性があります。就寝前に血糖を測定し、低めの場合(100mg/dLなど)は補食をして就寝するか、就寝前のインスリン量を1単位ほど減量しましょう。
  • 食事をしないでアルコールだけを飲み、インスリンを注射すると低血糖になります。そのようなことは避けてください。
  • 意識がなくなり、他の人の介助が必要なレベルの低血糖を起こした場合は生命にかかわります。高所作業やダイビングなどはすぐに中止してください。