私たちが食事により摂取したご飯などの主食や菓子、果物などに含まれる炭水化物は、腸で消化・吸収され、ブドウ糖となって血液中に入ります。ブドウ糖は、膵臓で分泌されるインスリンというホルモンの助けを借りて全身の細胞に取り込まれ、活動するためのエネルギー源となります。

インスリンの働きや分泌を妨げる遺伝的要素に、食生活の乱れや運動不足などが重なると、インスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなったりします。その結果、血液中のブドウ糖が増えて、血糖値が持続的に上がり、体にさまざまな悪影響をもたらすのが2型糖尿病です。

主な症状は、喉の異常な渇き、疲労感、頻尿、体重減少、皮膚病などです。長期に高血糖状態が続くと、目や腎臓、神経が障害される合併症が生じます。さらに動脈硬化も進み、心筋梗塞や脳卒中も起こりやすくなります。

治療の目的は血糖値を下げ、これらの症状や、合併症の発症や進行を予防することです。

なお、糖尿病には、日本人には少ないですが、膵臓そのものがインスリンを分泌できなくなる1型糖尿病もあります。

糖尿病は、肥満や食生活の乱れ、運動不足などさまざまな要因が影響します。生活習慣を見直し、問題があれば改善することが大切です。

初期には自覚症状がほとんど現れません。定期的に受診して合併症の早期発見に努めることが大切です。

治療でインスリン注射薬や血糖値を下げる薬を使用している場合、それらの薬の効きめが強く現れすぎて低血糖症状を起こすことがあります。低血糖が起きたら、すぐにブドウ糖を補給しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 体重・体脂肪率・腹囲の増加に注意しましょう。
  • 野菜やこんにゃく、海藻類など食物繊維を積極的に取りましょう。
  • 軽めの運動を行う習慣をつけましょう。
  • 歩く時間や階段の利用を増やしましょう。
  • 食べ過ぎ、お菓子や果物、清涼飲料水などの甘い物の取り過ぎ、塩分の取り過ぎは避けましょう。
  • 喫煙はやめましょう。
  • 飲酒は適量を超えない程度に抑えましょう。