肥満は慢性の難治性疾患です。高血圧症の70%、糖尿病の90%が肥満(体重増加)に起因します。
体重が増加すると治療は困難になるので予防が大事です。BMI〈体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)×100〉が22以下になるように心がけましょう。
検査では、いつごろから、なぜ肥満が生じたのかを調べます。現在の食事内容や身体活動量もチェックします。
肥満に伴う11の病気を検査によりチェックします。11の病気とは、耐糖能障害、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、心筋梗塞・狭心症、脳梗塞、脂肪肝、月経異常・妊娠合併症、睡眠時無呼吸症候群、整形外科的疾患、肥満関連腎臓病です。
また、ほかの病気や薬物が原因で生じた2次性肥満かどうかを調べます。
BMI35以上で肥満関連合併症がある場合は、腹腔鏡下の外科療法(袖状胃切除術のみ保険適応)を考慮します。
治療はカロリー制限と身体活動量の増加を心がけます。1ヵ月に1~2㎏の減量と、減少した体重の維持が目標です。
体重が多いときは運動が難しいので食事療法が中心です。常に食品のカロリーを気にするようにしましょう。
リバウンドを避けるために、体重が減少してきたら身体活動量を増加させます。