リウマチ性多発筋痛は、「リウマチ」という言葉がつきますが、関節リウマチとはまったく異なる病気です。高齢者で、肩や上肢、頸、臀部といった体幹に近いところに痛みが生じ、布団から起き上がれないという症状が特徴です。

原因はわかっていません。

診断がつけば、基本的には良性の疾患です。少量のステロイドによく反応し、経過がよければ1年、長くても2~3年で治療は終了できます。

ただし、10~20%の患者さんでは、側頭動脈炎という側頭部の血管の炎症を合併することがあります。治療中に発症することもあるので、高熱や頭痛、側頭部の動脈の痛み、視力低下の症状があるときはすぐに受診しましょう。

治療薬ステロイドの服用中は、自身の副腎が休んでいる状態であるため、突然服用を中止したり減量したりすると、半数近くが再燃し、さらに命に危険が及ぶことがあります(副腎不全・副腎クリーゼ「危機」)。量を減らすときは、1年以上かけて徐々に減らすことが大事です。薬は指示されたとおりに服用しましょう。

ステロイド服用中は免疫力が低下し、かぜなどにかかりやすくなります。外出時のマスクの着用やうがい・手洗いの励行により予防しましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • ステロイド薬の投与により血糖値やコレステロール値が上昇することがあるので、バランスのよい食事をとりましょう。
  • ステロイド薬の投与は骨粗しょう症の進行を促すことがあるので、カルシウム不足に注意し、適度な運動を心がけましょう。