巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)は、頭の側面にある大きな動脈である浅側頭動脈に、炎症が起きる病気です。

原因ははっきりしていませんが、一つの可能性として感染症がきっかけで起きるのではないかといわれています。

症状としては、脈打つような側頭動脈の痛みや頭痛、ものを噛むときに筋肉の痛みを自覚します。また、眼動脈にも炎症が及び、視力障害が起こり、失明することがあります。心臓の周囲の血管に炎症が生じ、それが原因で心筋梗塞や大動脈瘤とその破裂を起こすこともあります。

治療は主としてステロイド薬の投与です。眼や心臓周辺の血管に炎症が及んでいる場合にはステロイド薬の点滴も行います。

ステロイド薬は、最初はしっかり効く量を使用し、徐々に減量していきます。途中でやめると命にかかわることもあり危険なので、自己判断でやめないようにしてください。

治療中に、副作用として、血圧上昇、血糖値上昇、コレステロール値上昇のほか、胃腸粘膜障害、骨密度の低下、眼圧上昇、気持ちの高揚と落ち込みなどが現れます。心配なことは医師に相談しましょう。

胃腸粘膜障害や骨密度の低下に関しては最初から予防策をとり、経過を観察しながら早めに対処していきます。

治療期間は1~2年です。薬が減るころに再発することがあります。この場合は、薬を増やすか、免疫抑制薬を追加します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 禁煙を心がけましょう。