強皮症は皮膚の線維化による硬化、末梢循環障害が主な特徴です。ほかにも肺、腎臓、消化管、心臓など多彩な臓器に影響する可能性がある病気ですが、明らかな原因は不明です。

どのような症状がいつ、誰に出現するかは個人差があります。

それぞれの症状に応じた治療方法がありますので、現在どのような臓器障害があるのかをまず全身の検査を行い、治療方針を決定します。

時間の経過とともに皮膚硬化が軽快することもありますが、一方で新たな臓器障害が出現することもありますので、定期的に通院していただきます。新しい症状の出現や、これまであった症状が増悪してきたときは主治医に報告してください。

レイノー現象(冷たい刺激で手指が白、紫、赤色に変化すること)がある場合、特に症状が強くなる冬場は保温に努めてください。また、ストレス軽減に努め、喫煙はやめてください。

間質性肺炎・肺高血圧症を合併している場合、過度な運動は避け、呼吸器症状の増悪がみられたら早めに受診しましょう。

間質性肺炎を合併している場合やステロイドや免疫抑制剤を使用している場合は、風邪などの気道感染症を契機に増悪することがあるので、発熱時は早めに受診し、うがいなど生活面での予防も必要です。

肺高血圧や強皮症腎を合併している場合、食塩は1日6g未満とします。

心不全を合併している場合、水分制限があるときは厳守しましょう。

逆流性食道炎を合併している場合、香辛料や脂肪分の多い食事を避け、1回量を減らし、ゆっくり食べ、食後すぐに横にならないようにしましょう。