抗リン脂質抗体症候群(APS)とは、動脈や静脈の中で血の塊ができる血栓症になりやすい素因がある病態をいいます。血液中に抗リン脂質抗体という自己抗体が認められます。
なりやすい血栓症は、動脈系では主として脳梗塞、静脈系では深部静脈血栓症や肺塞栓(はいそくせん)症、妊娠合併症などがあります。
APSの原因はまだわかっていません。
診断確定時には、血栓症の二次予防のために、患者さんの状況に応じて、薬物による抗血小板/抗凝固療法が行われます。基本的には一生涯、治療薬を服用する必要があります。
血栓予防薬の内服による出血リスクがあるため、外傷などに注意が必要です。
他の病気で受診するときは病名と内服薬を病院に伝えましょう。
血栓症リスクになるような生活習慣病(高血圧症・糖尿病・脂質異常症)、肥満などを合併しないように、食生活や運動不足に注意しましょう。