混合性結合組織病は、一般的に膠原病と言われているものの中の1つです。
顔面紅斑、多関節炎、血球減少、皮膚の硬化、筋肉痛・筋力低下、間質性肺炎を起こす可能性があり、これがいくつか組み合わさります。
10人に1、2人の割合で肺高血圧症という、心臓から肺に血液が通る血管が細くなる病気を合併することがあります。
手指の浮腫、関節痛、レイノー現象だけであれば、対症療法を行いますが、内臓に症状が出た場合はステロイドなどの免疫抑制療法が必要になります。
比較的治療への反応は良いですが、肺病変や肺高血圧症が合併すると、時に急速に病状が変化する場合があります。
診断は、レイノー現象、手指の腫脹、肺高血圧症のどれか一つがあり抗RNP抗体が陽性であれば、この疾患である可能性が高くなります。ただ、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症(SSc)、多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)の症状があるかを確かめる必要があります。
そのため、血液検査、尿検査、心電図、心臓超音波検査、胸部レントゲン検査を行います。皮膚症状がある場合は、皮膚生検を行うこともあります。心臓超音波で肺高血圧症を疑う状況があれば心臓カテーテル検査、肺に異常があれば胸部CT検査(必要に応じて気管支鏡検査)、腎機能異常や蛋白尿があれば腎生検を行うことがあります。
症状が軽症の場合、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で対処することもありますが、少量のステロイド薬を使用することもあります。中等度以上の病気の活動性があれば、中等量から高用量のステロイド薬が必要になります。またこれで効果が十分得られない場合には、免疫抑制剤を併用することもあります。
病状が安定した場合は、ステロイド薬を徐々に減らしていき、できるだけ少ない量で安定させます。