全身性エリテマトーデスは、自己の細胞組織に反する自己抗体がつくられて諸器官が障害される自己免疫疾患(膠原病)です。若い女性に多くみられます。
発症には遺伝的素因と環境的要因が関連すると考えられますが、原因は不明です。遺伝する病気ではありません。
症状としては、発熱、倦怠感・疲労感、食欲不振、体重減少のほか、蝶型紅斑などの皮膚粘膜の症状、関節の症状、腎症状、中枢神経症状などが生じます。
現在は治療の進歩により以前ほど心配はいりませんが、治療が遅れると腎不全が進んで人工透析に至ったり、命に関わったりするので、早期にきちんと治療することが大事です。
厚生労働省が定める指定難病の一つで、医療費の公費負担があるので、診断が確定したら申請しましょう。
詳しい検査と治療のためには入院が必要です。
蛋白尿がみられ、腎障害が疑われるときは、腎生検を行い治療方針を決定します。
治療には、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を用います。効果が高い半面、副作用もあるので、薬量の調節などは自己判断で行わず医師の指示に従いましょう。
ステロイドだけでは効きにくいときは免疫抑制薬を一緒に用います。
増悪と寛解を繰り返すので、月1回程度、定期的に検査を受けましょう。