急性腎盂腎炎とは、腎臓の粘膜や腎臓そのものに(腎実質)に細菌が感染して急にいろいろな症状が起こる病気です。これといって尿路や全身に病気がない女性にも多くみられます。妊婦にも見られることがあり、妊娠時の合併症の一つです。

原因菌は、多くの場合、大腸菌です。

主症状は発熱と腰や背中の痛み、悪心(気分が悪い)、嘔吐などです。

尿検査により尿中の炎症細胞や細菌を調べます。また、血液検査で白血球の増加など全身性の炎症反応を検査します。場合によっては、腎臓やその周囲に膿の塊が生じて尿の通り道を塞いでいないかを調べるために超音波検査などを行うこともあります。高熱で血圧の低下がみられる場合は、血液中の細菌の有無を検査します。

治療の基本は、原因となる細菌に効く抗生物質の投与です。軽症であれば内服薬による外来治療でよいですが、重症の場合は入院して抗生物質の点滴注射を受ける必要があります。治療が難しかったり、困難や再発を繰り返す場合は、尿路での基礎疾患について、泌尿器科での診察を受けることがあります。

外来治療の場合は、安静と水分摂取を心がけましょう。再発する場合が多いので、薬を飲み終わったら再診します。

入院加療が必要になるのは、全身の炎症反応が強く、血液中に細菌が増殖している場合、倦怠感や食欲不振で十分な経口摂取ができない場合、画像上尿路のドナージ(管を入れて導尿する)が必要な場合です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 3日以上高熱が続く場合や、立ちくらみなどの低血圧の症状があるときはすぐに受診しましょう。