尿路性器結核は、これまで症状が出なかった結核菌が肺に存在していて、体力が弱ったときに再活性化し、腎臓、前立腺、精巣上体などに感染を起こす病気です。

結核と診断された場合は、医師が保健所に届けることが義務づけられています。保健所が、感染の危険があると判断した場合は、家庭や職場で接触している人に対して、検診を行うことがあります(接触検診)。

咳などによる飛沫(ひまつ)感染はしませんが、尿に結核菌が存在するため、排尿後は手洗いを徹底しましょう。

一般の抗菌薬では治療が難しく、3~4種類の抗結核薬を半年にわたって服用する必要があります。

腎結核により腎機能が働かなくなった場合、薬を投与しても完治しない場合などには、手術が必要になります。

使用する抗結核薬によっては肝臓機能障害、聴力障害、視力障害、発熱、手足のしびれ、関節痛、皮疹などの副作用が出ることがあります。副作用が出たらすぐに受診しましょう。抗結核薬の種類を変えたり、治療期間を延長したりして、様子をみます。

リファンピシンという薬では体内代謝物の関係で、尿や唾液、痰、汗、涙などの色が赤く染まることがありますが、心配はいりません。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 十分な栄養、睡眠、適度な運動で体力をつけましょう。
  • 治療を長引かせたり、症状を悪化させたりしないためにも、薬はきちんと服用しましょう。
  • 暴飲暴食、過度な飲酒、徹夜仕事、重労働は避けましょう。
  • めまいやふらつきがあるときは車の運転を控え、高所での作業も避けましょう。