水腎症とは、腎臓で産生された尿が、尿路の通過障害によって停滞し、腎盂・腎杯(腎臓と尿管の接続部)が広がってしまった状態をいいます。
子ども、特に新生児の場合は、腎盂拡張は一過性で、尿路閉塞・膀胱尿管逆流によって生じます。
若い大人の場合、原因は尿路結石が多く、20~60歳までは妊娠や婦人科腫瘍に関連して女性に多くみられます。男性の場合は前立腺疾患との関連により発生し、60歳以降に増加します。
発熱や糖尿病がある場合は早期診断が重要です。治療が遅れると腎臓の働きが戻らなくなります。
腫瘍や前立腺肥大、神経因性膀胱などで尿が出にくい場合は、水腎症は無症状で進行することがあります。
治療は、疼痛と尿路感染症のコントロールが初期の目標です。
水腎症による腎盂・腎炎では、尿の細菌が全身にばらまかれ、症状が重い全身感染症に移行することがあります。尿路感染症は早急に治療を受けましょう。
水腎症の原因によって、その後の治療は異なります。腎臓や尿管に原因がある場合は胃ろう造設や尿管ステント(尿管を内部から広げる機器)の留置、膀胱や前立腺に原因がある場合は尿道カテーテルや膀胱瘻(膀胱に設置したカテーテルから排尿を促す)などの緊急ドレナージを行います。
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