前立腺炎は、細菌感染または何らかの原因で前立腺に炎症がおこる病気で、急性前立腺炎と慢性前立腺炎があります。

急性前立腺炎は、急性細菌性前立腺炎ともいいます。会陰部痛、下腹部痛、腰痛、排尿困難、頻尿、排尿痛などの症状とともに、発熱や倦怠感などの全身症状がみられます。原因菌の多くは大腸菌です。

慢性前立腺炎は、急性前立腺炎が慢性に移行する場合と、潜在的に進行して最初から慢性前立腺炎として発症するケースがあります。発熱などの全身症状はありません。軽度の排尿症状や疼痛がみられます。原因は細菌感染のほかに、急性前立腺炎と異なり、原因が不明な場合もあります。

前立腺の触診や尿の色や状態などを見る尿検査、血液検査などで診断を行います。

急性前立腺炎の治療には、抗菌薬を使用します。早期に改善しますが、1~2%の人は重症化することがあります。全身症状が強い場合は、入院して治療を行います。

慢性前立腺炎の場合は、症状をみながら抗菌薬、消炎鎮痛薬、排尿を改善する薬、漢方薬などで治療します。症状は改善したり増悪を繰り返したりし長期に及びますが、重篤な病気に進むことはありません。

慢性前立腺炎で注意すべきことは、長時間座りっぱなしの姿勢をとること、過度の飲酒です。それ以外は病気を深刻にとらえず、気持ちを集中できる趣味などをみつけ、病気と仲よくつき合っていきましょう。