尿道狭窄とは、尿道が狭くなり、排尿に障害を来す病気です。

原因としては、淋菌性尿道炎や、高いところから落下して股間を強く打撲することで起こる騎乗型損傷、骨盤外傷、尿道を経由した内視鏡手術経の既往や尿道カテーテルの使用歴などがあげられます。

症状は尿の出方が細い、いきまないと尿が出ないなどの強い排尿困難です。下腹部膨満がある場合は排尿ができない尿閉の可能性もあります。また、背部痛や発熱がある場合は、水腎症や尿路感染症を合併している場合があります。このような症状が見られたら、一刻も早く受診しましょう。

診断は、尿道造影により行われます。

治療方法には、尿道に管を挿入して尿道を拡張する尿道拡張術や特殊な内視鏡による内尿道切開術といった体に負担がない低侵襲治療や、尿道形成術があります。

低侵襲治療は、狭窄範囲が1cm未満の場合や、1.5cm未満で初発症例の場合に適応されます。狭窄範囲が2cm以上の場合や、狭窄が短くても再発を繰り返すようなら尿道形成術が勧められます。

内尿道切開術や尿道形成術は1年以内に再発する率が高く、手術後は1~4カ月に1度の定期検診を行います。2年目以降は状況に応じて再診間隔を延ばしていきます。