精巣上体(副睾丸)は、精巣の上部についている細長い器官です。ここに大腸菌やレンサ球菌などの一般細菌、クラミジア、淋菌などが感染して起こる急性の炎症が急性精巣上体炎(急性副睾丸炎)です。
精巣上体炎は、陰のう内の炎症疾患の中ではもっとも多く、男性の尿路感染症の約20%を占めます。
急性精巣上体炎の症状としては、陰のう内の腫れと疼痛が主で、発熱を伴うこともあります。
精巣炎(睾丸炎)は、細菌やウイルスなどの感染によって精巣に起こる病気で、多くは細菌性精巣上体炎に伴って発症します。しかし、中には、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の病原体であるムンプスウイルスの感染によって起こることがあります。
症状は、急性精巣上体炎と同じです。通常は片側の精巣だけに起こりますが、両側に起こった場合は、精子をつくる機能が低下して男性不妊症になることがあります。
急性精巣上体炎、精巣炎ともに、治療法は抗菌薬の投与です。同時に安静にして、陰のうを冷やします。鎮痛薬を投与することもあります。
高熱の場合は重い感染症の可能性もあり、基本的には入院加療となります。
炎症が落ち着いた後に、基礎疾患の有無を調べるために排尿時膀胱造影や静脈性腎盂尿管造影を行います。
治療後、陰のう内にしこりが治まるまで数カ月かかることがあります。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |