血精液症は、精液の中に血液が混じっている病気です。この病気の罹患者の平均年齢は37歳といわれ、若い男性にしばしば見られます。

原因は、前立腺、精のう、尿道などの炎症や感染とされ、患者さんの39%に認めるというデータもあります。また性行動と関係があり、過度の欲望や長期間の禁欲が危険因子ともいわれます。

多くの場合は良性で自然に軽快することが多い病気です。しかしながらまれに、泌尿器系の悪性腫瘍の場合があるので、40歳以上や何度も再発を繰り返すようなしつこい場合は精密検査をしましょう。

検査では、問診、診察(直腸診を含む)、尿検査のほか、悪性疾患を考慮した尿細胞診、血清PSA検査*、経直腸的超音波、MRIが必要になることがあります。

血清PSA検査:前立腺の上皮細胞で特異的につくられる糖たんぱくの一種。値が上昇すると前立腺がんが疑われる

精液に血液が混じっているのを確認したときは、射精行動を1~2週間がまんし、局所の安静を保つことが大事です。

初回の診察後、次回の診察までに射精し、その性状を確認しておきましょう。

症状が重かったり、間欠的に続いたりする場合は、定期的に受診します。

入院は基本的に必要ありません。ただし、悪性腫瘍などが疑われた場合には、検査や治療のために入院が必要になります。