精巣腫瘍は精巣にできるがんです。若い男性に多く、現在は抗がん剤の開発により、進行していても80%以上は治ります。
進行が速いがんで、針による生検は転移の可能性があるので、精巣腫瘍が疑われたらまず精巣を摘出して病理検査をし、ステージを割り出してから、転移があれば治療を行います。
抗がん剤治療や放射線治療では精子をつくる造精機能に障害を与えやすいので、妊娠希望があるときは医師に相談しましょう。精液検査を行い、精子を保存することもできます。
精巣腫瘍は病理検査によりセミノーマと非セミノーマに分類されます*。このうちセミノーマは放射線が効きやすく、化学療法、放射線治療ともに有効、非セミノーマは化学療法が有効です。
転移する場所はリンパ節、肺、肝臓、脳などで、胸腹部CT、頭部CT、MRI、骨シンチを撮り、転移をチェックします。転移している場合は抗がん剤を中心とした治療を行います。抗がん剤治療後、残存腫瘍を摘除することもあります。
精巣腫瘍にはAFP、HCG、LDHなどの反応が鋭敏な腫瘍マーカーがあります。精巣摘除後、その値が減少するかどうかが重要です。その後も病勢を知るために、定期的に腫瘍マーカーを測定します。
時間が経ってから再発することがあるので5年を超えても観察が必要です。
*腫瘍の組織型の違い
非セミノーマ:胎児性がん、卵黄嚢腫、絨毛がん、奇形腫のうちの1つ以上が組織にみられるがん
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