乳頭部腺腫とは、乳頭にできる良性の腫瘍です。転移の心配はありません。

腫瘍が大きくなると皮膚を破って表面に露出することがあります。この場合は、乳頭部の皮膚がただれたり、下着が汚れたりします。

検査は、マンモグラフィと超音波検査により、乳頭部以外に病変がないかを調べます。乳頭部にのみ病変がある場合は、その部分の細胞から組織を取って、乳がんでないことを確かめます。ただれがある場合は細胞をこすり取って検査します。ただれがない場合は、しこりの一部、あるいは全部をとって検査します。

治療は、腫瘍の切除が基本です。できる限り乳頭を温存する手術を行います。

温存ができない場合は、乳頭再建術を追加することができます。

良性なので、6カ月から1年ごとの受診により、経過観察しながら手術を待機することもできます(待機手術)。ただし、しこりが大きくなったり、ただれに気づいたりした場合は次の外来を待たずにすぐに受診しましょう。