乳房肉腫とは、乳腺にできる特殊な悪性腫瘍です。乳がんのように乳腺の上皮から発生するのではなく、乳腺に囲まれた間質部分から発生します。悪性化した細胞の由来により、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、悪性葉状腫瘍などに分けられます。
悪性葉状腫瘍は、細胞の形や細胞分裂している細胞の数などをみて、良性、境界悪性、悪性に分類されます。ただ、この分類で予後が必ずしも100%予測できるわけではありません。
発症率は低いのですが、増大のスピードが速く、気がついたときには5cmを超える腫瘍(しこり)になっていることがしばしばあります。
治療は完全な腫瘍の切除が基準です。腫瘍の大きさによっては乳房の切除も必要になることがあります。
手術後、局所再発が20%前後で高く、肺転移や骨転移もみられます。
局所の再発に対しては再切除、転位に対しては抗がん剤や分子標的薬療法、放射線治療を行います。