壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)は、筋肉を包んでいる膜に細菌が感染して炎症を起こしている病気です。

炎症は、皮膚から比較的深い位置に起きます。時には広範囲に及んでいることがあります。

診断は、皮膚を切開して組織を採取し、筋肉表面の膜に感染がないか、皮膚切開による観察や顕微鏡で確認して下されます。

重症となることが多いため、入院が必要です。

治療は、抗菌薬(抗生物質)の投与とともに、速やかに外科手術によって感染した組織を取り除きます。症状が出てからできるだけ早く(数時間以内に)、この処置を行うことが救命率を上げるといわれています。

進行が非常に速く、急激に状態が悪くなることがあります。全体の致死率は20~40%と報告されています。

通常、家族内で感染することはありません。

最近手術を受けた、出産をした、褥瘡(じょくそう=床ずれ)にかかったなど、皮膚に傷を負った方が患者さんと接触した場合、予防のために抗菌薬が処方されることがあります。

ほかの皮膚病との区別が難しく、初期には軽症に見える場合があります。急速に痛みの範囲が広がったり、皮膚に水ぶくれが出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 糖尿病などの持病をもっている方は、再発を防ぐために持病はきちんと治療しましょう。
  • むくみが出たり手足の血流が悪くなる病気や水虫をもっている方は、皮膚の感染症を起こしやすいので医師に相談してください。
  • 脾臓摘出後、免疫抑制剤の服用中、HIV/AIDSにかかっているなど、免疫機能が低下している方は、感染症にかかりやすいので医師に相談してください。