アトピー性皮膚炎は、小学生の11%、大学生の8%に見られる身近な皮膚病です。

異物に対するバリア機能が低下している乾燥肌のため外からの刺激に敏感に反応し、またアレルギー炎症を起こしやすい体質という遺伝的要因に加えて、さまざまな悪化因子が重なり、慢性に湿疹を繰り返す病気です。

治療の基本は、ステロイド薬やタクロリムス軟膏(商品名プロトピック)などの抗炎症外用薬による治療、保湿外用薬などによるスキンケア、悪化因子への対策です。

薬を中心にした治療によって症状が次第に軽快し、そのまま治っていくことも期待できます。

薬はどんな皮膚の湿疹(皮疹)に塗るか、いつまで塗るか、どんな副作用があるかを医師によく聞いて理解してから治療を始めましょう。

自分の判断で治療を中止しないでください。

薬による治療を開始したら1~2週間後に再診し、その後は経過に応じて2週間~1カ月ごとに受診することをお勧めします。

これまでと異なる皮疹が出てきたり、薬を塗っているのに皮疹がどんどん悪化するときは、すぐに受診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 入浴後、すぐに抗炎症外用薬や保湿外用薬を塗りましょう。
  • 処方薬は指示されたとおりにきちんと使いましょう。
  • 規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
  • 入浴時に、ナイロンタオルやボディブラシでこすって洗うことは避けます。
  • 不規則な生活や暴飲暴食、偏った食生活は避けます。
  • 市販薬や民間療法を併用したい場合は、医師に相談しましょう。