褥瘡は、多くの場合、寝たきり状態が続くと生じます。
体重が1カ所に持続的にかかり、その部分の皮膚に血流不全が起こることが主な原因とされています。
一定の場所に一定時間以上の圧迫とともに、摩擦・ずれ、湿潤などの外的要因が加わると褥瘡はより生じやすくなります。
症状は、軽度であれば痛みや発赤、びらんなどがみられます。ひどくなると水疱ができて皮がむけたり、創部から出血したりうみが出ることもあります。
糖尿病の患者さんでは、かかとや足の指に褥瘡が見られます。これは皮膚局所の血液の流れに問題があって生じるものです。この場合を除けば、褥瘡は必ず治ります。そのためには褥瘡の治療を開始する前に、患者さんの基礎疾患や全身状態を改善することが必要になります。
これまでの治療は医師の経験と勘に頼っていました。しかし、最近は科学的根拠に基づいた治療が行われるようになりました。治療そのものも著しく進歩しています。
治療に対して受け身になるのではなく、なぜそのような治療が必要なのかを医師に聞くなど、積極的に治療に参加してください。
治療は医療側だけでなく、家族も含めた患者さん側との共同作業です。その中でいちばん重要なことは患者さんの「治そう」という意志です。
食欲がない、体の向きや位置の変え方(体位変換)がわからない、体圧分散寝具(機器)の使い方がわからないなど、治療中に気になることがある場合は、どんなささいなことでもよいですから、早めに相談してください。
外科的治療ではなく保存的治療だけであっても、時間はかかりますが必ず治ります。
治療方法は患者さん側と相談して決めますので、どのような方針で治療するかを一緒に考えましょう。
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