双極性障害は、以前は躁うつ病と呼ばれていました。気分が高揚し活動性が亢進する躁状態あるいは軽躁状態と、気分が落ち込んでしまううつ状態を繰り返すのが特徴です。

10歳代後半にうつ状態で発症することが多いのですが、20、30歳代あるいはそれ以降でも発症します。

躁状態の期間は短くうつ状態が長く続くのでうつ病と誤診され、抗うつ薬が投与され、効果が得られずに治療が長引いたり、逆に抗うつ薬で元気が出すぎることがあります。

双極性障害の治療薬は、抗うつ薬ではなく、気分安定薬です。

双極性障害以外にも、躁状態やうつ状態を引き起こす脳の病気や身体の病気があります。これらを鑑別するために、通常の血液検査や甲状腺ホルモンの検査、脳波検査や頭部CT検査、MRI検査が行われます。

気分安定薬を用いる際には、血中濃度を測定しながら、投与量が調整されます。症状が落ちついても、気分の波を予防するために、しばらくは気分安定薬を飲み続ける必要があります。

躁状態で興奮したり怒りっぽくなったりして、人や物にあたるようになったときには入院が必要です。うつ状態で自殺を考えるようなときにも同様です。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 規則正しい生活を心がけましょう。
  • 心配なことは誰かに相談しましょう。
  • 完璧ではなく、七分目程度を目指しましょう。
  • うつ状態の時期には、判断力がいつもより低下していることが多いため、転職などの重大な決定事項はしないようにし、保留できるものは保留しましょう。
  • 無理をしすぎないようにしましょう。
  • 飲酒や睡眠不足は避けましょう。