うつ病は、10~15人に1人が一生のうちに1回は経験するといわれ、誰にでも起こりうる病気です。

うつ病の原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝や環境要因、神経やホルモンが関係していると考えられています。

気分障害の一種で、気分の落ち込み、憂うつ感、何をしても楽しくないといった精神症状が現れます。また、食欲低下や不眠などの身体症状もよくみられます。

うつ病以外にも、うつ症状を呈する病気があります。その鑑別のための検査が必要です。

薬を用いて治療が行われることがあります。最初に用いる抗うつ薬は約70%の人に有効ですが、効果が出るまでに数週間かかります。また、症状がよくなったあとも数カ月、場合によっては数年にわたって薬を服用し続けることがあります。

最初の1カ月は毎週、外来受診が必要ですが、症状が落ち着いてきたら受診間隔は延びます。

死にたいという気持ちが強くなったら、速やかに再受診してください。

抗うつ薬は急に中断すると症状を悪化させることがあります。自己判断で中止せずに、必ず医師と相談してください。

治療に役立てるための情報を得るためと、病気への理解や治療への協力を得るために、ご家族との同席をお勧めします。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 規則正しい生活を心がけましょう。
  • 心配なことは誰かに相談しましょう。
  • 完璧ではなく、七分目程度を目指しましょう。
  • うつ病により判断力が低下していることが多いので、転職など重大な決定事項はしないようにし、保留できるものは保留しておきましょう。
  • 無理をしすぎないようにしましょう。
  • 飲酒や睡眠不足は避けましょう。