解離性障害は、記憶が途切れたり、意識を失ったり、多重人格と呼ばれる状態になったりする病気です。

原因ははっきりわかっていませんが、 過去に何度も受けた心の傷(トラウマ=心的外傷)が関連することがあります。また、最近の新たなトラウマがきっかけとなって症状を引き起こすことがあります。

トラウマを受けた年齢が低ければ低いほど、症状は重くなる傾向がみられます。

病状が自然に進行することはありません。時間はかかりますが、回復が可能です。

現時点では、特効薬はありません。睡眠改善や気分安定を目的に睡眠薬、気分安定薬、抗精神病薬などが用いられたり、不安感をとるために抗不安薬が使用されたりします。

抗不安薬は慢性期の症状を悪化させることがあります。抗不安薬を服用して効果がはっきりと現れない場合は、減薬が検討されます。

カウンセリングは効果的ですが、適切な時期に開始することが大切です。話をすることによって症状が悪化する場合には、カウンセリングの開始が先送りされることがあります。

カウンセリングは医師ではなく、臨床心理士が専門的に行うことがあります。臨床心理士のカウンセリングは医療保険が適応されないことがあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 症状が出やすいときは、新たなトラウマを受ける可能性のある人や場所に近寄らないようにしましょう。
  • 飲酒は、症状を起こしやすくします。飲酒をしない生活を送りましょう。
  • 処方された薬は、指示された用量や回数を超えて飲まないようにしてください。