強迫障害は、強迫観念と強迫行為からなります。
強迫観念とは、自分でもそれがばかばかしい、考えすぎとわかっていても、「泥棒が入ったらどうしよう」「火事になったらどうしよう」「汚いものを触って病気になったらどうしよう」といった強い不安や苦痛に悩まされることをいいます。
強迫性障害は、100人に1人くらいが生涯に一度は経験するといわれています。
不安や苦痛を取り除こうとして、自分ではやめたい、やり過ぎとわかっていても、「汚染や感染をおそれて何度も手を洗う」「火事にならないようにガス栓を何回も確認する」「泥棒が入らないように窓や玄関の施錠を何度も確認する」といった行動を繰り返します。これが強迫行為です。
強迫観念や強迫行為に1日1時間以上を費やし、社会的な生活に支障を来し、またこれらを説明しうる他の病気がない場合に、強迫性障害と診断されます。
死にたいという気持ちが強くなったときは、早めに受診してください。
強迫行為を家族に強要したり、「本当に大丈夫か」と何度も聞き直したりする「巻き込み」がよくみられます。家族がその対応に疲れきってしまうような場合は、医師に相談してください。
治療は、主にSSRIと呼ばれる抗うつ薬が用いられます。吐き気など一時的な副作用が時々起こりますが、薬は自己判断で止めないで、必ず医師に相談してください。
治療を円滑に進めるために、診察には家族が同伴することをお勧めします。