身体化障害は、30歳以前に生じた、さまざまな身体症状が長年にわたって続く病気です。ただし、検査をしても、体の異常は見当たりません。
身体化障害では、少なくとも、①4カ所の痛み、②2つの胃腸症状(下痢、便秘など)、③1つの性的症状(性的無関心、性交痛など)、④1つの偽神経学的症状(脱力、麻痺など)がみられます。
原因は不明ですが、本人の性格や家庭環境、ライフイベント、心臓や神経などの病気、不適切な診療などさまざまな要因が複雑に絡み合って発症するといわれています。
治療には時間を要します。あせらずに治療を続けることが大切です。
複数の身体的な症状がみられる場合には、原因となっている病気がないか鑑別することが重要です。ただし、不必要な検査や診察を過度に繰り返すことは避けなければなりません。医師とよく話し合うことが大切です。
治療は外来で、精神療法を中心に薬物療法を併用して行われます。ただし、自殺願望が強かったり、身体症状が強く日常生活に支障を来す場合や、摂食不良など身体の衰弱を伴う場合には、短期の入院治療が必要となります。
症状が消えたり現れたりすることがありますが、定期的に受診してください。
症状を完全に取り去るのではなく、症状と上手に付き合っていく方法をみつけるとよいでしょう。
病気について正しく理解し、症状への取り組み方を身につけていきましょう。
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