不眠症とは、眠ろうと寝床に入っても、寝つきが悪かったり、夜中に何度も目覚めたり、朝まで眠っていられなかったりして睡眠が全体に浅く、日中の不調感、疲労感、集中困難、眠気などが見られる状態です。

日本では、調査により、成人の約21.4%が不眠の訴えをもち、およそ4%が睡眠薬を使用していることが明らかになっています。ただし、これは先進国では平均的な数値です。

不眠症は生活の質を損なううえ、生活習慣病やうつ病の発症リスクを高めます。心身の健康の維持のためにもきちんと治すことが大事です。

治療のゴールは、眠りたいだけ眠らせることではなく、不眠により起こる日中の不調感を解消することです。

治療は、まず生活指導と薬物療法です。睡眠薬は医師の指示に従って、指示された用量を守ることが大事です。副作用に注意して適切に使用すれば、依存性や毒性について、過度に心配する必要はありません。

安定した状態が続くようになったら、薬の量を減らしたり、止めたりします。

減量に関しては、入床時刻と離床時刻を決め、床の中で過ごす時間を成人なら7時間弱、高齢者なら6時間前後に制限しながら行います。

休薬日を設ける場合には、眠たくなってから床に就くか、1時間ほど就寝時刻を遅らせるのが成功の秘訣です。