薬物依存とは、薬物がやめられなくなる状態をいいます。好奇心から使用することが多いようですが、やがて薬が切れるときの不快感や、さらに快感を得たいという渇望感からやめられなくなります。
薬物依存が生じやすい条件は3つあります。薬が手に入りやすい状態にあること、本人にとってつらい状況があること、つらくても安心して相談できないことなどです。
薬物の使用が長くなると、神経系に影響を与え、精神依存が形成されます。さらに使用が長くなると、効果を得るために量が増える耐性が生じ、やめると離脱症状が発現する場合もあります。薬物を手ばなすためには、人と信頼関係を築き人に癒されるようになることが大切です。
薬がほしくなる渇望を和らげる薬剤はまだ試験段階です。現在の治療法は、不安、焦躁、抑うつ、あるいは幻覚・妄想といったそれぞれの症状に対して、対症的な向精神薬が使用されます。
薬に依存するという自分の性格や行動パターンを客観的に見つめるために、患者同士が話し合い改善する自助グループや治療共同体への参加、認知行動療法、動機づけ面接法などが有効とされます。