ぶどう膜は眼全体を包み込むように広がっている膜で、脈絡膜、毛様体、虹彩からなります。ぶどう膜炎には約30種類の炎症があり、中には失明に至るものもあります。

虹彩炎や虹彩毛様体は眼の前の部分だけ炎症が生じますが、中にはぶどう膜全体に炎症が及ぶものもあります。そのため、眼全体を検査する必要があります。

ぶどう膜炎の発症に、膠原病などの免疫異常や感染症が関与していることがあります。そのため、血液検査などの全身検査が必要です。

さまざまな検査をしても半数近くが原因不明です。白内障や緑内障などの合併症が生じないように、注意深く治療することが大事です。

治療法はステロイド薬を使用します。ステロイド薬はさまざまな副作用があり、その発現に留意しながら治療を行います。ときには、炎症が残っていても、あえてステロイド薬を使わずに経過観察することもあります。

適切な治療をしても慢性化することがあります。また再発することも多いので、長期にわたる経過観察が必要です。

通常、初診1週間後に再受診します。その後は2~4週間ごとに、所見が安定したら1~2カ月ごとに受診します。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 自律神経のアンバランスが、眼に悪い影響を与えます。できるだけストレスのない生活、規則正しい生活に努めましょう。
  • 栄養のバランスのよい食事をしましょう。
  • 喫煙者はぶどう膜炎になりやすいといわれます。禁煙を心がけましょう。