サルコイドーシスとは、20~30歳代と60歳代の女性に多くみられる原因不明の炎症性の病気です。呼吸器、心臓、皮膚などいろいろな臓器に炎症性のできもの(肉芽腫性結節)をつくり、眼の場合は、両眼性肉芽腫性汎ぶどう膜炎を起こします。

症状としては、眼のかすみ、飛蚊症(ひぶんしょう:蚊が飛んでいるように見える)、視力低下、まぶしさなどがみられ、炎症は良くなったり、悪くなったりを繰り返し、慢性化します。長期経過とともに白内障、緑内障、黄斑上膜といった眼合併症を生じてきます。

眼圧を調整する隅角(ぐうかく)(眼の中の水の出口)に結節(炎症性のできもの)ができると、眼圧上昇を伴うことが多く、それが続くと、視神経が障害される緑内障に進展することがあります。

多臓器疾患のため、胸部X線検査、CT、心エコー、心電図、皮膚結節があるときは生検などが行われ、診断が確定します。

指定難病に認定され、公費対象になっています。認定を受けて治療しましょう。

治療は、ステロイド薬の点眼や内服、眼局所への注射などを行います。

ただし、糖尿病や骨粗鬆症などがある場合にはステロイド薬の内服により増悪する可能性があります。また、きちんとした診断がつくまではステロイド薬の全身投与は避ける必要があります。

緑内障の合併がある場合には、その程度を確認するために定期的に視野検査が必要になります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 自覚症状が増悪するときは早めに受診しましょう。
  • 自覚症状が改善しても自己判断でステロイド薬を減量・中止しないようにしましょう。