視神経は、眼と脳を結ぶケーブルのようなもので、太さは約1.5mmでスパゲッティとほぼ同じです。

視神経の中にたくさんの小さな血管があり、栄養を供給しています。その多数ある小さな血管が数本詰まった状態を虚血性視神経症といいます。

虚血性視神経症は、血管が炎症で詰まった動脈炎性と動脈硬化で詰まった非動脈炎性に大別されます。

動脈炎性と非動脈炎性では治療法が異なります。鑑別するための検査が必要です。

非動脈炎性の場合、現時点では有効な治療法はありません。ただし、約40%の人は、視力が2~3段階改善するといわれています。しかし、視野の改善は得られません。

動脈炎性では、治療をしないと高率に短期間のうちに良いほうの眼に発症します。そのため、ステロイドを用いた治療が行われます。したがってステロイド治療は、悪くなった眼の視力改善ではなく、両眼に発症するのを防ぐのが目的となります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
<非動脈炎性の場合>
  • 血圧の管理が大切です。血圧が高すぎてもよくありませんが、逆に低すぎると良いほうの眼に発症する可能性が高くなるので注意が必要です。
  • 禁煙してください。
<動脈炎性の場合>
  • 全身的な管理をしながら、ステロイドを大量に投与するパルス療法を行います。そのため、入院が必要です。
  • 確定診断のために、側頭動脈の生検が行われます。