強膜炎は、いわゆる「白目」の炎症で、眼球の外壁にあたる「強膜」が炎症を起こす病気です。特に膜の表面に炎症が見られるものを上強膜炎といいます。

原因はさまざまですが、半数以上は原因不明です。原因がわかるものとして最も多いのは関節リウマチで、他に膠原病、結核、梅毒、水痘・帯状疱疹ウイルスなどが挙げられます。

治療は、炎症を抑える薬の点眼や内服が中心となります

再発を繰り返すことが多いため、定期通院が重要で、薬もゆっくりと減らしていく必要があります。

点眼・内服治療が効く場合の予後は良好ですが、炎症が非常に強かったり何度も再発を繰り返す場合は、予後不良となることもあります。

採血などで疑わしい疾患がないかを検査します。 

眼の後ろの強膜も侵されている後部強膜炎の疑いがある場合は、他の疾患との鑑別のためエコー検査やCT、MRIといった画像検査、蛍光眼底造影検査や腰椎穿刺などを行います。

治療はステロイド薬の点眼治療が主体となり、重症例では内服も併用されます。

大量のステロイド薬の全身投与が必要な場合は、副作用の発現頻度も高く、入院治療が基本となります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 大半の例では点眼・内服治療が効果を示しますが、再発率も高いことが知られています。薬の急な減量や中止は再発率を高めるので、自己判断で薬の減量や中止などを行わないでください。
  • いったん炎症が治まったあとも、再発のチェックのため通院が必要となります。