一酸化炭素は、無色、無臭、無刺激性の毒性の強い気体で、暖房器具の不完全燃焼などによって発生します。

体内に入った一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結びついて一酸化炭素ヘモグロビンを形成します。これが大量に生成されると、全身の低酸素状態を引き起こします。

急性期の症状としては、めまい、吐き気、頭痛などを引き起こし、急性期の症状が軽くなってからも、数日から数週間して遅発性に神経精神症状が出ることがあります(遅発性脳症)。

遅発性脳症の主な症状は、集中力・学習能力・社会適応の障害、うつ状態、記銘力障害、重症の場合は精神病症状、認知障害、パーキンソン症候群などです。遅発性脳症に対する根本的な治療法はなく、症状に応じた治療が行われます。

一酸化炭素中毒が自宅などで発生した場合で、一酸化炭素の曝露源が不明なときは、暖房器具や湯沸器などの動作不良が原因のことも多いので、同居家族や近隣の方へ被害が拡大しないように、疑わしい器具を点検する必要があります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 暖房器具、ガス湯沸器などはこまめに点検しておきましょう。
  • 換気に気をつけましょう。