体温が一定の範囲にないと人間の身体はうまく働きません。限度を超えて体が冷えると低体温症となります。

低体温症になると、不整脈、肺機能障害、腎不全などを合併し、死亡率も高くなります。ただし、低体温症による心停止は、心拍再開できる可能性が高いとされています。

寒い環境だけでなく、体の内部に原因のある内因性の病気によって体温が下がることもあります。特に注意が必要なのは、敗血症と内分泌疾患によるものです。

治療は、低体温症になった原因を探して対処する必要がありますが、基本的には体温を温めることになります。温めるために、温水による胸腔洗浄など大がかりな処置を行うこともあります。

寒い土地ではなくても、屋外で寝たりすると低体温症を引き起こす可能性があります。屋外でなくても、屋内でもその危険性がある場合があります。

特に高齢者は寒さに弱く、また、服用している薬が寒さを感じにくくさせ、判断力を落とすことがあるため、その危険性が高くなります。

乳幼児は、体の熱が逃げやすく、低体温症になりやすいので注意が必要です。

認知症の症状は急には発症しません。認知症の症状が急激に出た場合は、低体温症を含めた急病の可能性があるので、急いで受診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 高齢者が暮らす部屋は、温度計を設置して、室内を適切な温度に設定しましょう。
  • 高齢者の様子が変だと感じたら、すぐに病院で受診させてください。