高山病は、高所に慣れていない人が標高2,500m以上の高所に到達した後、数時間から3日までに発症する病気です。
低酸素、低圧、低温という高所の環境要因と、登山活動に伴う運動負荷が原因で起こります。
頭痛、食欲低下、吐き気・嘔吐、疲労、脱力、めまい、ふらつきといった二日酔いに似た症状や、睡眠障害などが現れます。
治療の原則は高度を下げること、酸素吸入、保温です。その他、加圧バッグの使用、薬物療法などがあります。
症状が軽い場合は、高度を上げずに安静にして経過を見守ります。症状が改善しないときはすぐに下山します。
重症化して、頻脈、頻呼吸、咳、呼吸困難などがみられたときは、高所肺水腫の恐れがあります。運動失調や意識障害があるときは高所脳浮腫が疑われます。入院して人工呼吸管理などの高度医療が必要になります。
予防策として、体調を整え、ゆっくり登る、水分補給をまめに行う、アルコールの摂取や喫煙は避けるなどが大事です。予防薬も忘れずに持参しましょう。なお、心臓や肺に病気のある人は、あらかじめ医師に相談しましょう。