動物の口腔内にはさまざまな菌が常在しています。咬まれた跡(傷口)はそれらの菌で汚染されます。

傷口が見た目は小さくても、深くまで達していることがあり、深部の腱や骨を傷つけていたり、のちに感染が広がり、化膿して悪化したりすることがあります。悪化した場合には、創部の痛みが強くなったり、赤くなったり、腫れて熱をもったりします。注意深く経過を見守りましょう。

肝硬変やがんなどを患い、免疫力が低下しているときは、傷が悪化しやすいので注意が必要です。

感染率が高いのは犬よりも猫です。

狂犬病は国内では1957年以降発生がありません。国内で咬まれた場合はワクチンは不要ですが、海外で咬まれた場合は狂犬病ワクチンの接種をすることもあります。

咬まれたら傷口は十分に水道水で洗い、異物を取り除きます。

傷口がひどく、汚染による感染を予測できるときは、当日は傷口を完全に縫合しないで、数日様子を見て、傷が悪化しないことを確かめてから縫合閉鎖します。

感染リスクに応じて抗菌薬を予防的に3~5日間服用することがあります。

感染症を発症している場合には原因菌に応じて抗菌薬を投与します。

破傷風ワクチンを、その人のワクチン歴に応じて接種します。

まれに咬まれた傷口以外の部位に感染が波及することがあります。感染症が重い場合は入院が必要です。

悪化する場合には、再度受診してください。